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民間療法による皮膚障害

 身近な皮膚の病気や、関節の痛みの治療には、いろいろな民間療法があります。けれども場合によっては皮膚障害を起こすこともあるのです。

▼アンモニア

 蜂などの虫刺されに使われますが、実際には全く効果がありません。効かないばかりか、化学やけどを起こすことがあります。腫れた所をアンモニアで湿布をして、黒く変色するほど深い皮膚障害を起こし、傷跡が残ってしまった例もあります。絶対に使わないようにしましょう。

▼ニンニク

 強い皮膚刺激性がありますので、水虫や湿疹を治す目的で、すりおろして皮膚に貼ると、水ぶくれやただれを起こすことがあります。

▼センニンソウ・キツネノボタン

 センニンソウは扇桃腺、肩こり、腰痛に、キツネノボタンは膝の痛みに、葉を 揉んで貼るとよいと言われているようです。この場合も皮膚が赤く腫れたり、黒く変色して傷跡が残ってしまった例が多くあります。効果もはっきりしません。

▼アロエ

 医者いらずとも言われ、湿疹、やけど、虫刺されなど何にでも効くといわれています。全く効果がないというわけではありませんが、誰にでも使えるというわけではありません。やけどで赤くなったところに、皮をむいたアロエを貼ったら、翌日、貼った部分全部がかゆくなったり、水ぶくれができてしまったなど、かえって悪化させてしまうこともあるのです。

 民間療法には、効果や安全性が不確実なものがあります。気軽に他の人に勧めて皮膚障害を起こし、トラブルの元になることもありますから、注意が必要です。

( 八木 文子  )