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骨粗鬆症について

 骨粗鬆症は、骨が弱くなって折れやすくなった状態です。脊椎骨折、大腿骨頚部骨折は寝たきりになってしまう大きな原因となります。骨粗鬆症人口がどの位あるのかというと、50歳以上の女性で約800万人、男性で約200万人と推計されています。

 ところで、骨粗鬆症は病気でしょうか。生活習慣病である高血圧症や糖尿病は当然病気といえます。それは、高血圧を放置すれば脳卒中を発症し、糖尿病を放置すれば全身性の微小血管病変を発症することがわかっているため、無症状でも治療する必要があります。骨粗鬆症も、症状はありませんが、放置すると骨折を起こす危険が大きくなるという点で病気であるといえます。

 骨粗鬆症では、治療の最終目標は骨折を予防することにあります。女性に関していえば、そのライフステージにおいて、骨粗鬆症を予防する3つの時期があるといわれます。第一は、若い時期。つまり、骨の成長が終わる1〜2年前(15歳頃)から20歳前までの時期です。その人の人生で、最も骨量の高い(最大骨量)時期は20〜30歳代といわれます。個人差がかなりあります。従って、この値をできるだけ高い値にすること、これが第一の予防となります。このためには、10歳後半にカルシウムを十分にとり、変なダイエットをしないことが大切です。第二は、閉経後数年間の時期。この時期は、女性ホルモンが減少することで骨量が下がる時期です。人によって急激に下がる場合もあり、この時期は検診を受け、自分の骨量がどの程度か知り、場合によっては治療を始めることが予防につながります。第三は、70歳以上の老年期。この時期は、転倒予防など、日常生活で骨折をおこさないような工夫や注意が必要になってきます。

 骨粗鬆症について、その予防を中心に述べましたが、高齢になって骨折を起こさないためには、若い時期からの生活習慣が大切であると思います。頑張りましょう。

( 光長 栄治  )