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メタボリックシンドロームとは何ですか?

 最近よく見聞きするメタボリックシンドロームという言葉を知っていますか?カタカナの言葉は苦手だ、と言う人も多いと思いますので、これについて説明します。

 ここ数十年食生活やライフスタイルの欧米化で、栄養状態が良くなったことに伴って、肥満の人が増えており、動脈硬化が元で起る病気も増えています。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる重大な病気の引き金になります。

 動脈硬化に最も関与するのは、コレステロールですが、高血圧や糖尿病といったさまざまな危険因子があります。最近内臓脂肪が貯まっていると動脈硬化の危険因子が集まってくることがわかってきました。そうした危険因子がいくつか重なっていると、危険因子がひとつだけのときより心筋梗塞といった病気を起こす危険性が高くなります。

 すなわちメタボリックシンドロームとは、腹部肥満が存在することによって、高脂血症・高血圧・高血糖などの危険因子を併せ持つ状態をいい、これらの危険因子を複数持っていると、一つ一つは軽度でも動脈硬化の危険性が飛躍的に高まります。

 メタボリックシンドロームの簡単な診断基準は、[1]腹部肥満(内臓脂肪の蓄積)[2]高脂血症[3]高血圧[4]高血糖で、[1]に加えて[2]〜[4]の2つ以上当てはまる場合を言います。内臓脂肪を正確に判断するためにはCT検査を行い、内臓脂肪の面積を調べる必要がありますが、CT検査は簡単に行えるものではありません。そこで、それに相当する簡便な方法となるのがウエストの周囲径で、男性は85cm以上・女性は95cm以上になると腹部肥満と判定されます。

( 西野 仁 )