東温市医師会

ホーム > ドクターの健康百科 > もしかして更年期障害?

もしかして更年期障害?

 女性なら誰もが迎える更年期。更年期とは閉経(月経1年間無い状態)前後の約10年間で女性の体と心が最も変化しやすい時期をさします。加齢により卵巣機能衰退し、女性ホルモン(エストロゲン)の量徐々に低下してきますが、この変化に身体が慣れるまでの間に様子不快な症状が出ることを更年期障害と呼び、次のような症状があります。

  • 1.月経異常:頻発月経、不正出血、閉経血管運動神経症状:のぼせ、ほてり、異常発汗、動悸、めまい
  • 2.精神神経症状:イライラ、不眠、抑うつ状態、頭重感
  • 3.泌尿、生殖器症状、外陰掻痒症、性交痛、膣炎、膀胱炎、尿道炎、尿失禁、皮膚症状、しわ、たるみ、乾燥、しみ

 さらに、更年期から老年期に入ってくると・・・

  • 1.骨粗鬆症:腰痛、圧迫骨折
  • 2.心血管系疾患:高脂血症・動脈硬化・心筋梗塞や脳梗塞の可能性

 更年期障害の症状の出方や強弱の個人差は、ホルモンの減少という身体的要因に、ストレスなどの心理的な要因、さらに子供の親離れや老親の介護といった環境的要因の3つが複雑に絡み合うため様々です。又自分で更年期障害だと思っていた疲れやだるさが糖尿病から引き起こされていることもあり、肩こりや頭痛が高脂血症による場合もあるので、この時期にみられる身体の異常を更年期障害だと決め付けてしまうのもよくありません。

 体の不調を感じたら、内科や婦人科を受診してみてください。
日本人の女性の平均寿命は84歳となってきましたが、平均の閉経年齢は50歳と変わっていないため一生の1/3近くが更年期以降の人生となります。素敵に歳を重ね、自分らしく生きていくために更年期を健やかに過ごしてください。

( 松岡 俊江 )