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アスベストの害について

 最近、特にアスベスト(石綿)により被害が報告されています。アスベストはクリソタル、クロシドライト、アモサイトなどの種類があり、特にクロシドライト(青石綿)の危険性が言われます。アスベストは吸入により肺の末梢に捕らわれると、不可能的な肺組織の変化をもたらすことがあります。石綿の曝 露は石綿原料に関連した作業、石綿の製造工程における作業、石綿製品等を取扱う作業、そして上記の石綿を扱う作業の周辺などにおいて間接的な曝露の可能性のある作業で起りうることです。そしてアスベストの曝露を受けたい人は、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫といった疾患に罹患しやすくなります。

 アスベスト肺の診断は@石綿への職業曝露の証拠、A持続性の両側肺底部の吸気性念髪音、B拘束性換気障害を主とする排機能異常、C胸部レ線所見で、びまん性間質性陰影、胸膜プラーク陰影をみる、D他の類似疾患や石綿以外の原因物質による疾患を厳密に除外することで診断されます。

 当院では本年1月からアスベスト被曝の可能性があり、健康に不安を感じている方を対象に毎週火曜日と木曜日の午後にアスベスト外来を行っています。問診・診察、胸部X線、胸部CT写真を施行し、結果説明・報告書を作成し患者にお渡ししています。もしアスベストに関係した所見があれば、定期的な観察、胸部X線やCT検査の必要性を説明し、また労働局や労働基準監督署への管理手帳の申請についての指導もしています。診察は予約制で、問い合わせ当院の医事課(TEL964-2411)が対応いたします。

 アスベスト肺の所見の有無を検診することも大切です。また不幸にもアスベストの所見が見つかった場合でも、定期的な検診で病気が発生した場合には早期に対応できるように医療を預かる一員として考えています。

( 阿部 聖裕 )