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子供の頭部外傷

 乳幼児期には、体の他の部分に比べて頭が大きいため、転倒時に頭を打撲しやすい特徴が見られます。学童期には、登下校時の事故や運動中のケガによる頭部外傷が多くなります。このような時、どのように対応したら良いのでしょうか。

 まず、頭皮からの出血は多くなる事があるので、清潔なハンカチやタオルでシッカリと直接圧迫し止血してください。

 腫れている時、比較的固さのある腫れ(たんこぶ)とブヨブヨした腫れ(血腫)の場合があります。たんこぶはまず冷やしますが、腫れている中心部分が凹んでいるように触れる場合があります。これには、打撲部周囲が腫れ(浮腫)により盛り上がっている場合と、陥没骨折の場合があり注意が必要です。ブヨブヨした血腫の場合は軽く圧迫しますが、直下に骨折を伴うこともあり、必ず専門医を受診して下さい。

 さて、最も重要な頭蓋内の出血や脳挫傷は外見上からは判断できません。ケガをした時の意識や症状の様子を出来るだけ詳しく把握しておきましょう。乳幼児は、機嫌が良いかどうか・嘔吐や手足の動きについても観察します。眠っている様に見えても、意識が低下している可能性もあり、軽く揺り動かして寝返り等の反応があるか必ず調べて下さい。脳挫傷や頭蓋内血腫は、時間経過と共に悪化していきますので、疑わしい場合は一刻も早く診察を受けて下さい。

 しばしば、時間が経ってから子供に聞いて心配する事があります。その時全く症状が無ければ問題のない場合が多いと考えられますが、徐々に血腫が増大し数時間後から悪化する場合もあります。夜間も必ず様子をみるようにしましょう。状況は様々であり自己判断は危険です。少しでもおかしいと思われたら受診される事をお勧め致します。

( 中野 敬 )