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目薬のはなし

 ほとんどの方が目薬を入れた経験があると思います。入れるときの理由は何だったのでしょうか?薬局で買ったのでしょうか?病院で処方してもらったのでしょうか?目薬なら何でもよいと思っていませんか?

 目薬にも、飲み薬などと同じようにいろいろな種類があります。目の症状や病気の治療のため多くの目薬が作られています。また、薬によって使用する回数も異なります。使い方を誤ると、効果がないばかりか副作用が出てしまうこともあります。子供の視力が落ちてきたときに眼科でもらった薬がとてもよく効いたので、おじいちゃん(おばあちゃん?)が、「最近見えにくくなってきたわい」と同じ目薬を入れてしまうと、何と緑内障の発作を起してしまうこともあるのです。下痢してお腹が痛いのに風邪薬を飲むでしょうか?

 目薬をさした後、のどの奥が苦く感じたことがありませんか?これは、目頭にある小さな穴と鼻の奥が細い管でつながっているため、目薬を飲んでしまっているのです。量はごく少量ですが、目薬は意外に薬の濃度が高いので、薬によっては重大な副作用(喘息発作、高血圧など)を起こすことがあります。飲み込まないようにするには、点眼したらすぐに目をつぶって瞬きをしないか、目頭を押さえて15〜20秒ぐらいしてからふき取ってください。

 一度使い始めた目薬を古くなっても使っていませんか?たまにしか使わない目薬は長い間置いてあることが多いと思いますが、大丈夫なのでしょうか?目薬が一滴出ると容器には空気が吸い込まれて入っていきます。空気には雑菌もいるのできたないですね。実は目薬の多くには、すぐに腐ってしまわないように防腐剤が入っています。ですから、しばらくは大丈夫ですが、限界があります。防腐剤は目にとっては害のあるものでもあるので、入っていないか、できるだけ少ないほうが良いといえます。また、目薬が空気に触れたり光にあたったりすると少しずつ変化して効果が減ってくるものもあります。やはり開封後は早めに使い切ったほうが安全でしょう。いずれにしても健康な目には使わないほうが良いのではないでしょうか。

 たかが目薬、されど目薬・・・といったところです。

( 泉田 仁美 )