東温市医師会

紫外線と皮膚

 太陽からの紫外線の量は2〜3月から増え始め、5月〜8月にピークとなります。紫外線は骨の形成を助けたり殺菌効果もありますが、浴びすぎると皮膚に様々な悪影響も与えます。このダメージは消える事無く蓄積していくため、日頃から紫外線対策を心がけましょう。

 地上に届く紫外線にはUVAとUVBの2種類があります。波長の長いUVAは、肌の奥まで入り込み、皮膚の張りや弾力をつかさどるコラーゲンなどを変性させるためにじわじわと肌にダメージを与え、しわ・たるみといったいわゆる皮膚の老化の原因となります。

 一方、直射日光に当たって、皮膚が赤くただれたり、火ぶくれができるのは、主に、UVBのしわざです。UVBはしみの原因となるほか、浴びすぎると遺伝子の本体であるDNAが損傷を受け、皮膚癌になる危険も増します。

 人は生まれてから18歳までに、生涯における紫外線量の約半分を浴びるといわれています。もちろん、日光の下でスポーツなどを行うのは悪いことではありません。しかしその功罪をよく考え、不必要に過剰な日光浴は控えましょう。 紫外線の量は午前10時から午後2時までが最も強く、一日の照射量の半分以上がこの時間帯に降り注いでいます。曇りの日でもUVAはほとんど減りませんから要注意です。外出時には、つばの広い帽子をかぶったり、長袖の衣服を着るなどして、肌の露出を控えましょう。日焼け止めクリームなどを塗ることも大切です。

 日焼け止めは顔だけでなく、露出している場合は、背中、肩、腕などにも使用してください。汗をふくと取れますから、3〜4時間毎に塗りなおすことも必要です。

 長時間日光に当たった後は思いのほか体が疲れています。抵抗力が低下して体調を崩しやすいため、十分な休養をとることも大切です。

(八木 文子 )