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スポーツ障害の予防

 スポーツ障害の多くは、筋肉が腱となって骨に付着する場所、筋肉に起こります。特に成長期には骨の長さに比べて筋の長さが不足しており、障害が発生しやすい状態です。また、スパイクの使用など用具が発達し、体育館などの施設も充実したことにより、強い力が体に伝わるようになり、さらにスポーツ障害が起こりやすくなっているようです。ストレッチやアイシングを実行し、障害の予防を心がけましょう。これらはもちろん成人のスポーツ障害の予防にも有効です。

 ストレッチは筋を伸ばすことにより筋の柔軟性を向上させ、筋の炎症や肉離れ、筋が骨に付着する部分の障害などを予防する方法です。30秒から1分程度、目的の筋を伸ばしますが、呼吸を止めるほど強く伸ばさず、リラックスした状態で反動もつけずに行いましょう。運動前が最も重要ですが、運動後や入浴後も有効です。短距離走ではハムストリングス、テニスでは下腿三頭筋、サッカーでは大腿四頭筋。また、起こりかけている障害によって、オスグッドやジャンパー膝では大腿四頭筋、踵の痛みやアキレス腱断裂やふくらはぎの肉離れの予防には下腿三頭筋などというように、有効な筋のストレッチを重点的に行いましょう。

 アイシングは局所の循環(血液の流れ)を抑え、疲労や炎症の蓄積を防ぎます。氷袋や保冷剤などで患部を冷却します。運動後早い時間のほうが効果は大きく、運動終了後30分以上経過すると効果は乏しくなります。15分程度を目標にするとよいのですが、それ以下の時間でも効果はあります。ただし冷やしすぎによる凍傷(しもやけ)には注意しましょう。これまでいためたことがある場所や、種目によって傷めやすい場所(野球の場合は肘や肩など)、運動中や運動後に痛みを感じる場所を冷やしましょう。

 対処方法に不安がある場合や痛みが続く時には整形外科にかかってみて下さい。

(竹本 勇治)