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胆石症について

 日本人の胆石保有率は無症状も含めると15% 以上といわれており非常に多い病気のひとつです。そのうち8 0%が胆嚢結石で総胆管結石は1 0%に当たります。肥満、糖尿病、肝疾患が原因と考えられています。

 いわゆる胆石発作は突然右季肋部(右脇腹の内側)に起こる疝痛性の激痛で右肩から背部へ放散する場合が多く、脂肪食や肉体的精神的過労が誘因となるようです。たとえば暑い時期に脱水となり元気を出そうと夕食に脂っこいものを食べた時、強行軍の旅行先でアルコールや美味しい食事をした時などは要注意です。放置すると胆嚢結石は腹膜炎や肝膿瘍を、総胆管結石は高齢者の死因の一と言われている閉塞性化膿性胆管炎や急性膵炎を起こし病状が悪化することが多いようです。一度発作を起こした場合には早めの治療が必要です。

 検査方法は腹部超音波検査(腹部エコー)腹部CT やMRI で診断されます。肥満、高脂血症、糖尿病の人は一度検査を受けた方がいいのではないでしょうか。

 胆嚢結石の治療はおなかを開けないで取り出す腹腔鏡下胆嚢切除が主体です。総胆管結石は口からカメラを入れて取り出してくる方法と腹腔鏡下でも可能です。当院含めて消化器内科外科のある病院では行っていますので一度相談されてみてはいかがでしょうか。

(久保 義一)