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コンタクトレンズ再び

  十年前にもコンタクトレンズ(CL)について書きましたが、再び気になる点について述べてみたいと思います。

  現在CLは、薬事法で高度管理医療機器に分類されています。副作用や機器の機能に障害が生じた場合に生命や健康に重大な影響を与える恐れがあるため、適正な管理が必要な物である、ということです。これは販売する側への規制です。

  購入する側は、以前は眼科で診察を受けて処方され購入する物でした。最近はどうでしよう?ドラッグストアやインターネットで購入している利用者がかなりいると思われます。全く眼科で診察を受けたこともなく、使い方の指導も受けず、見よう見真似で、使い始めている人も、少なからずいるようですが、大半の人が何事もなく利用しているのだろうと思われます。

  しかし、不適切な使い方により、急性に、あるいは慢性に目に障害を起こすことがあります。特に、角膜(くろめ)は一度濁ると元には戻らず、メガネをかけてもCLを入れても視力が充分出なくなってしまいます。角膜は本来透明な構造ですが、病気などにより白く濁ってしまうことがあるのです。ほとんどのCLは、目が健康な場合に使えるのですが、健康な目がCLを使うことによって病気になり、視力が落ちてしまうなんて、とんでもないことだと思います。

  今のところ、CLを購入するための法的な規制はありません。医療機関を受診すると、健康上の問題から、指導や使用中止を命令されることはあります。CL使用開始年齢がどんどん早くなっている昨今、利用する側も、CLが便利な道具であると同時に、リスクのある物であるという事を忘れないでほしいと思います。

(泉田   仁美)