東温市医師会

便秘について

   便秘でお悩みの方が多いので今回は便秘について書かせて頂きます。 毎日便が出なければならないと考えている方が多いでしょうが、便秘とは三日以上排便がない状態または毎日あっても残便感がある状態と定義されています。

   便秘には問題のある便秘としては大腸癌や痔などがありますが、急な便秘で改善がなく血便も伴う場合は大腸癌の可能性が高く、早めの大腸検査を受けることをお勧めします。

   大半の便秘の原因としては食事や食物繊維不足などの摂取不摂生、鎮痛剤、抗うつ薬、利尿剤などの薬、女性の方に多いホルモンバランスの変化、紅茶や緑茶などのタンニンの摂取、心配事や環境変化による精神的ストレスなどがあります。

   ですから便秘になったからすぐ薬局の薬を飲もうとする前に原因について考えた方がいいでしょう。特にコーラックなどの刺激性下剤は常用しすぎると癖になり、また大腸に色素沈着などを起こすために早期からは避けた方がいいとされています。整腸剤、便を軟らかくする薬、漢方薬など病状にあった薬の検討が必要で、症状が長期に続く場合病院で相談してください。一昨年から腸液を増やす新しい作用機序をもった便秘の薬も処方できるようになりました。

   家庭でできる常習性便秘に対する方法を述べます。食物繊維を十分とり一日三食規則正しい生活をする。毎日一回朝トイレに行く習慣をつけ排便ができない場合も長時間座り続けない。腹部のマッサージや運動をしたり、朝起きた時に冷たい水や牛乳を飲むのもいいでしょう。宿便がひどく出口まで来ているのにでない時に指でかき出す方が稀にいますが直腸に傷が入り危険ですので避けた方がいいでしょう。

   最近サプリメントなどの広告を良く見かけますが、成分によっては健康を害する場合があり注意してください。

(久保   義一)