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予防可能な危険因子

   高血圧や高脂血症(最近では脂質異常症と呼ばれる)や糖尿病などいわゆる生活習慣病で通院されている方は多いと思いますが、何のために通院治療しているのかきちんと考えたことはありますか?このような病気をもっている方のほとんどは無症状です。ではなぜ治療する必要があるのでしょうか。それは元気で長生きするためです。つまり、このような病気をほっておくと、病気がない方に比べて何倍も脳卒中や心筋梗塞などになりやすいからです。つまり高血圧や高脂血症は脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる重篤な病気の危険因子ということになります。今回は高血圧を含めた危険因子というものについて書かせてもらいました。

   2007年の日本のデータから死亡の予防につながる因子(予防可能な危険因子)を研究した結果が数年前に発表されています。それによると死亡に関係するリスクとして最も高いのはタバコでした。日本では年間に100万人ほどの方が亡くなっていますが、12万人くらいはタバコが原因でがん、脳卒中、心筋梗塞あるいは呼吸器疾患になって亡くなっているとのことです。次に続くのが高血圧で、高血圧があるために脳卒中や心筋梗塞などになって10万人くらいが死亡されています。そしてリスクの第3位はなんと運動不足との結果でした。運動不足が解消出来れば年間5万人の命が救われるとの結果でした。つまりこれらの危険因子を除去あるいは改善すれば、上記人数の命を守れることになります。以下に続いている危険因子としては高血糖、塩分の高摂取、アルコール摂取、高LDLコレステロール(脂質異常症)などです。また4つの心血管危険因子(血圧、血糖、悪玉コレステロール、肥満度)が最適にコントロールされると約16万人の死亡を防ぐことができたと推定しています。いわゆるメタボの方はそれを改善する必要性を改めて示しています。

   危険因子としてタバコの方が高血圧より多くの死亡に関与していることを知ってください。したがってせっかく高血圧の治療をしてもタバコを吸っている方は治療の効果(つまりは重篤な病気の予防)が十分に得られません。また運動不足の解消も大切だということです。特に仕事が忙しい方は運動が出来ていないことが多いようです。予防可能な危険因子として上位にあるタバコ、高血圧、運動不足、食べ過ぎ(高血糖)、塩分の高摂取、アルコールの飲みすぎなどの改善が元気で長生きするために大切ですので、ぜひ心がけるようにしてください。

(岩田   猛)