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肺炎と肺炎球菌ワクチンについて

最近テレビでよく見かけるのが、有名な俳優さんが登場して、肺炎にならないように肺炎球菌ワクチンをうちましょう。というコマーシャルです。確かにこの宣伝は、一般の人に強く印象にのこり、注射しにいこう、との意識がでていると思います。いい宣伝ではありますが、ひとつ気になることがあります。それは、一般の人は、この肺炎球菌ワクチンを注射すれば肺炎にならないと考えてる人がほとんどだということです。

ここで、肺炎について考えてみましょう。

肺炎は、かぜの延長線上にあり、かぜが悪化すると肺炎になります。熱がでて、咳がでて、痰がでて、息もしにくくなり、胸部レントゲンでは、異常な影がうつり、血液検査では、白血球が異常に増加してくる。

日本人の死亡原因の第3位になっている病気です。

それでは、肺炎の原因物質は、何かと言うと、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、インフルエンザ菌,クラブシエラ菌、など色々な細菌によって起こってきます。つまり肺炎球菌ワクチンを注射しても、肺炎の完璧な予防にはならないということです。肺炎球菌が肺炎をおこす割合は、だいたい30から40パーセント前後と言われております。

肺炎球菌ワクチンを注射するのも大事ですが、それだけで安心しないでください。かぜをひいても馬鹿にせず、医療機関に早めに行き、薬をもらってください。過労や睡眠不足もいけません。体を休めることも必要です。ストレスも抱えてはいけませんよ。

(藤本  明彦)