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マダニに咬まれないように注意しましょう

マダニは咬まれてかゆくなるイエダニや、アレルギーの原因となるダニとは違う種類です。通常は2〜5mm、吸血すると2cmにもなるので目で見ることができますが、症状が少ないので気づかないことが多く、ゴミが付いていると間違えることもあります。また、幼ダニは3〜4日で自然に離れてしまうので、咬まれたことすら気づかないこともあります。

マダニによる病気には、日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)やライム病が知られていましたが、最近SFTS(重傷熱性血小板減少症候群)が注目されています。マダニに咬まれてから6〜14日後に38℃以上の熱、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が出ます。まだ確立した治療法がないため、重症例では死亡することもあります(愛媛県ではH28年4月1日現在21人中8人死亡)。これまでに何度もマダニに咬まれて何事も起こらなかったという人もいると思いますが、日本ではH25年に初めて報告された、マダニが媒介するウイルスによる新しい病気ですので、これからは気をつけてください。

マダニを防ぐには肌の露出を減らすのが肝心です。マダニは4〜11月頃に野外で活発になります。湿った土や草の上にいて、体に付くと柔らかくて分かりにくいところ(脇の下、膝の裏、おしり、耳のうしろ、頭の中など)を探して皮膚の上を歩き回ります。屋外の作業や散歩では服装に気をつけて、帰ったら服を着替えてシャワーや入浴をしましょう。マダニを見つけたらむしり取らないで、医療機関で処置してもらいましょう。ペットに付いていることもあります。外でブラッシングしてチェックしましょう。

(八木  文子)