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レビー小体型認知症について

マスコミでは認知症に関係する情報が、ほぼ毎日のように流れています。認知症と言ってもいくつも種類があります。最も多いのはアルツハイマー型認知症ですが、2〜3番目に多いとされている認知症にレビー小体型認知症(DLB)というものがあります。

レビー小体型認知症の特徴としては、①アルツハイマー型認知症で見られる「物忘れ」などの「認知機能」はアルツハイマー型認知症よりは比較的軽いことが多い。②日によって差がある。調子が良い日と悪い日がある。③幻覚が早期から出る。幻覚の内容は小動物や人などが多い。④パーキンソン病で見られる手足のふるえや独特の筋肉の固さが見られる―などが挙げられます。

原因ですが、病気の名前の由来にもなっているレビー小体という特殊なたんぱく質が大脳にたまることによって生じることがわかっています。

診断は、症状や頭部MRI・CT、さらに脳血流シンチグラフィという脳内の血流の状態を見て、脳の血流がどの部分で低下しているのかを見る検査をして診断します。レビー小体型認知症では大脳の後ろの方、いわゆる後頭葉に血流の低下が見られることがあります。

治療としては、残念ながら「治る」という治療はありませんが、いくつかの薬に症状を少し抑える効果があることがわかっています。

幻視や興奮状態に対しては、アルツハイマー型認知症で使用される薬のアリセプトや漢方の抑肝散という薬に効果があることがあります。他にも使用する薬はありますが、効果がある量が一人一人によっても違い、多すぎると逆効果のこともあり、少量から様子を見ながら使用する必要があります。ケアの面では幻覚を無理に否定しないなどの対応が必要になります。

このように薬やケアの面などでアルツハイマー型認知症とは少し違った対応が必要な病気であり、気になる場合は神経の内科受診が必要です。

(橋本  司)