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B型肝炎ワクチン、おたふく風邪ワクチンを受けて病気を予防しましょう

現在は1歳までの子どもさんにはB型肝炎(HB)ワクチンが定期接種されていますが、そのワクチンを受けていない年代の子どもさんにも是非HBワクチン接種を受けて頂きたいと考えています。HBは輸血や注射などの血液を介して感染する病気と思われていますが、最近は若い人での性行為による感染が多く注意喚起がなされています。多くの若い人の感染は急性肝炎として発病する場合がほとんどで、症状は一旦治まるのですが、HBは一旦体の中に入ってしまうと生涯ずっと体内にとどまっていて、将来の肝硬変、肝癌へと悪化する可能性もある病気です。HBに罹らないためにはワクチンは非常に有効です。特に子どもさんはワクチンによる抗体も出来やすいので、低年齢の時期にワクチンを受けることをお勧めします。

また定期接種外のワクチンでおたふく風邪のワクチンも子どもさんに出来るだけ受けてもらいたいワクチンです。現在放送されているNHKの朝の連続ドラマ「半分青い」の主人公鈴愛さんが子ども時代におたふく風邪に罹り左耳の難聴になったという設定で、皆さんも知っているかもしれませんが、おたふく風邪に罹った約700人に1人が合併症として片側の難聴を起こすことがあると言われています。おたふく風邪は発熱や耳下腺が腫れて急性期に少し困ることがある程度の病気と考えられている方が多いと思いますが、難聴や男児で起こる精巣炎に伴う不妊など将来的に影響のある合併症が起こる可能性のある病気です。出来るだけ罹らないことが大事なのでワクチン接種をお勧めします。

なおこれらのワクチンは複数回の接種が必要ですし、HBワクチンは定期接種外だと任意接種となり料金がかかります。ご希望の方はかかりつけの小児科医とご相談の上接種を受けて下さい。

(石川  純一)